少しずつ曲の規模が大きくなってきた大人の生徒さんに、
「もうだいだい仕上がってきていると思いますが、弾き方のイメージが確立されていない箇所とか、難しさを感じる箇所はありますか?」
と、質問してみると、
「そうですね・・・やはり、この6小節間が難しいです。手は慣れてきたと思うのですが、まだここだけ流れが良くない感じですし、内声を抑えながら弾けていないと思いますし・・・」
との返答だった。

自分も、その6小節間を、生徒さん少し迷っているというか、決めかねて弾いているように思っていた。
まず、外声を響かせるという段階はできているものの、内声とのバランスや絡み合いを含めた演奏という段階にはもっていけていないので、この箇所だけ音楽の流れがあまり良くないように聴こえる。

ただ、生徒さんの感想を聞いて、自分は、この生徒さんはかなり実力が上がってきていると感じた。
少なくても、1年ほど前よりも格段に進歩していて、演奏力そのものも向上しているし、楽譜の読みから感じ取る力も、かなり備わってきたと思う。
それが、この6小節間の難しさをより感じることにつながっているし、そしてどのように弾くといいのか、考えることになってきたのだろう。

そこで、今回のレッスンでは、時間の半分近くを、その6小節の部分の弾き方に使ってみた。
音楽のイメージはだいたいできていても、それに近づくことが大事なので、手首の使い方や、指(この部分では特に1指)の使い方についても、少し細かくやってみる。
急に良くなるというほどでもないが、生徒さんは、
「内声が少し聴けてきたのに、抑え気味に弾くのが楽になってような気も・・・」
とのことだったので、あとは次回までにもう少し練習してきてもらうことに。

やはり、次第にピアノを弾けてきた生徒さんには、自分も要求するレヴェルが少しずつ高くなってくるし、時にはこうして一部分をしっかりと内容を濃くやりたい。
それが、生徒さんが、さらにピアノを楽しく弾くということに、つながってくれればと思う。

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