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発表会の曲目を、生徒さんに合わせて決めていこうと考える、準備の時期になってきた。
何人かの生徒さんについては、「今年はこの曲はいかが?」という提案曲が既にあるので、出来ればそれに決めて欲しいのだが、その1曲のみを提案するのではなく、生徒さんの希望も聞いたうえで、4曲~6曲、生徒さんによっては10曲くらいを提案して、相談しながら決めることにしている。

今年は、気をつけようと思っているいくつかのポイントが、自分の中にはある。
例えば、Aさんは昨年、一昨年もベートーヴェンのソナタ Bさんは、昨年も一昨年もショパンのワルツ といった具合に、同じ人が同じ作曲家の曲を弾くのパターンが数人いたので、一応3年連続で同じ作曲家には、できればしないようにしてみようと思っている(別に同じ作曲家でも、曲が違うので良いとは思うが、何となく)。

それから、既に希望の曲がある生徒さんは、それを言ってくることがあり、昨年も3人いたと思ったが、実力よりも2段階くらい上の曲は、無謀曲として、今年はキッパリとお断りをするべきだろうと心に誓っている。

あとは、あまり演奏力が無い生徒さんには、ここ数年、映画音楽などの簡単アレンジもので、何とかそれなりに聴こえるようにして、表面的には演奏の形を整えることもしていたが、それを少し見直していくつもり。
アレンジものがダメなわけではないが、メロディーと伴奏のような単純な曲になりがちなので、もしポピュラー系や映画アレンジなどを弾くとしても、もう1曲は、ピアノのために作曲されたピアノ曲を弾く方向に持っていこうと思っている。

そして、連弾。
これも、毎年少し頭の痛い問題で、どの生徒さんと、どの生徒さんのペアにするのかだけでも、相当迷ってしまう。
現在のところほぼ決まっているのは、1組のみで、一応曲も決定。
だが、あとは全然考えがまとまっていない。
ただ、昨年のように、連弾ペアがまとまらずに、自分が連弾のセコンドとして2度出演したり、連弾をしない生徒さんがいるのに、ある生徒さんは連弾で2回出演のようなことは、できれば避けたいとは思っている。

講師演奏は・・・・そろそろ、無くてもいいのではとも思っているが、まあ一応やることにはなりそう。
でも、曲を決めるのは速くても数週間前なので、今のところ全然考えてもいないが、あまりに早い時期に決めると、自分はかえって窮屈に感じるので、直前に曲決め、さらに発表会本番のいつ弾くのかも、その日に決めるのがここ数年のモリス流なので、今のところ考える順位としては後回し。

生徒さんへの提案曲、連弾ペアと曲は、あと数週以内に具体化しなければ。
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発表会の講師演奏の曲目も、何を弾くのか直前まで決めなかったりと、いつも弾く曲を決めるのが遅い、悪習慣がついてしまっている自分。
だから、コンサート出演のための曲目決定→申告の期限が迫ってきても、あれこれと、ギリギリまでいろいろと曲探しをするような良くないクセが・・・。

記念の年でリストか、それとも久しぶりにショパンを中心にしても、いや確かこのあたりのロマン派は既に曲目が決まっている方がいるらしいので、古典でハイドンかベートーヴェンでも・・・
そんなことを考えながら、手持ちの楽譜をいろいろと開いて閉じて、開いて閉じてを繰り返したり、音源をいくつか聴いてみたり、また楽譜を読んでみたり、そんな作業を繰り返す。

そうしているうちに、
「あっ、この曲は、〇〇さんのレッスン曲にいいかも。これも〇〇くんの発表会用に・・・」
などと、本来の目的とは別の思考回路になってくるので、自分の曲目決定作業は進まない日々が続いていたが、本当に期限が迫ってきて、主催者さんをあまり待たすわけにもいかないので、決めなくてはいけないが・・。

探しても、これを弾く!と決められない時は、やはり(現在の世の中の主流なピアノレパートリーから見ると)多少偏ったとしても、自分にとって素直に入ってくる曲目にしようと思い、フランスの近代曲を主要曲目に決定。
いくつかの組み合わせとなるが、これらでおそらく10数分程度にはなるだろう(これから練習するので、推定)。
あとは、バロックと古典の中間期とでも言えるような曲で1曲。これも3分未満で、まず弾くにはちょうど良さそう。

決めたら、また迷わないように、すぐに連絡。
了承の返信はすぐに来たので、これでもうほぼ変更はできないだろうが、他の曲にすぐに浮気をしたくなる性分なので、曲目報告→了承 の流れが一度あると、もうやるしかないと、心も決まってすっきりする。
さあ、少しずつペースをあげて練習していくとしよう!
出場シリーズの、一応最終回で、その17を。

採点は全部確認してから、講評の中身を読んでいくことに。
まあ、書かれている内容については、ある程度の予想はしているが、実際はどうだろうか・・。
(諸事情により、講評用紙に書かれている字句そのままではなく、意味が変わらない程度に言い回しを変えたり、抜粋、省略で書かせていただきます)

1枚目・・・1曲目:優しい弾き方で良かったですが、テンポはしっかりと。2曲目:ミスが多いのが残念でしたが、全体的に工夫のある演奏でした。

2枚目・・・1曲目は:途中でテンポが遅くなりすぎないように。2曲目:テクニック的にもう少しがんばって。ダイナミクスも気をつけてみてください。

3枚目・・・1曲目:音は柔らかいのですが音のバランスを気をつけて。2曲目:テクニックを育てましょう。

4枚目・・・1曲目:優しい雰囲気で素敵な演奏でした。2曲目:曲が難しいので大変だったと思いますが、よく工夫されている演奏でした。これからの可能性をとても感じる演奏でしたので、がんばってください。

5枚目・・・1曲目:テンポ感に気をつけるとさらに良かったと思います。2曲目:もっと通る音が出せるとデュナーミクの幅も広がるでしょう、テクニック練習もがんばってみてください。

だいたい、以上のような内容。
原文そのままではないので、少しわかりづらいかもしれないが、点数が全体的に低いのに、講評内容はそれほど悪いことが書かれていない。
この地区の予選には、他の生徒さんも出場させていたが、結構辛口の方もいたのに、それと比べると、とても温和な印象で、善意溢れる(?)文章。
これは、演奏は評価されたのではなく、「この生徒さんは、コンクールのレヴェルではなかったけれど、よくがんばって出場したように聴こえたので、これからのエール(応援)の意味でも、良いところを書いてあげよう」という意味に読み取れる(5人中、3人は明らかにそんな雰囲気)。

特に、ただ1人だけ少し高めの点数をつけてくれた4枚目の審査員は、講評も励ますような内容になっていて、自分もこうした講評はあまり目にした記憶がない。
もちろん、文字通りに受け取っても良いのだろうが、現時点で「可能性がある」という書き方は、言い換えると現時点では「コンクール出場レヴェルよりもかなり低いですよ」という意味でもあると思う。

こうした内容ということは・・・審査員の気持ちとしては、
「この生徒さんの指導者は、いったい何をやっているんだ?ちゃんとやれよ!」
ということなのだろう。
そうだとすると、さすがに今回は自分も反論出来ない・・・いや、ここは講評を励ましと受け止めて、また次へとつながるレッスンをやって行こう・・・。

今回で、出場シリーズの生徒さんのコンクール挑戦記(?)は、一応修了です。
コンクール全体のことや、他に気がついたことなどは、また随時書いていく予定です。
出場シリーズの、その16を。

コンクールと発表会の違いは、どこにあるだろうか。
曲の選び方、実力と曲との関係、演奏の方向性の多少の違いなど、いろいろと異なる点はあるが、仕上げのレヴェルが高いほうが良いことは、コンクールも発表会も同じなのかもしれない。

ただ、大きく違うのは、コンクールは審査員という他人の評価が(しかも、通常の場合、客観性に近い評価が)あるということだろう。
コンクールでは、点数で評価が表されるので、高い点数ばかりとは限らないし、講評として、「良かったところ」だけではなく「良くない」ことも書かれていることもある・・・。
審査員の点数と講評を、どのように受け止めるのか、これが今回の出場シリーズの1つのポイントでもあると、以前から思っていた。

出場シリーズの生徒さんも保護者さんも、おそらくどれくらいの点数がつくのか、そしてその点数が高い評価なのか低い評価なのか、判断は出来ないだろう。
だから、自分が説明をする必要があるのだが・・・これがちょっと頭の痛い問題。
通常であれば、コンクールが初めての生徒さんにも、正直に普通の解説をするのだが、今回ばかりは、それを言いにくい状況ではある・・・
つまり、これまで見たことが無いような低い点数を、初めて自分は目にするであろうことは覚悟はしているのだが、それを生徒さんと保護者さんには、どのように受け止めてもらえばよいのだろうか・・。

考えがまとまったような、まとまらないような感じではあったが、結果発表と講評をもらえる時間に、生徒さんと再び合流。
既に生徒さんは講評用紙の封筒を受け取っていたので、見せてもらった(諸事情により、具体的な点数は書かないことにします)。

1枚目・・・うん、ちょっとおまけで、この点数で並んでくれたらと思っていた点数。
2枚目・・・1枚目と同じ。
3枚目・・・ああ、やはり・・。この点数を、自分がやってきて初めて見た・・1枚目よりも下。
4枚目・・・ええっ!ちょっと驚きの点数・・1枚目よりも少し上。
5枚目・・・1枚目と同じ。

平均すると、自分が希望していた(?)くらいの点数であり、僅かでも賞を想定する生徒さんなら、正直残念な点数であるが、今回の出場シリーズの生徒さんの場合には、想定(以上の?)点数。
これくらいなら、生徒さんにも保護者さんにも無難に説明できるので、
「点数には少し幅があるけれど、平均すると賞がいただけるには、少し及ばないというくらいですよね。でも、初めてだから、まあまずまずだと思います」
としてみると、生徒さんも保護者さんも納得の様子。

そして、それぞれの講評の内容も確認してみると・・・おそらくつづく。
出場シリーズも最終に近づいてきたが、その15を。

コンクール本番当日。
当日は、自分のところからは、この出場シリーズの生徒さんだけが出場するわけではないが、これまでに出場経験のある生徒さんと保護者さんはだいたいの進行をわかっているので、やはり出場シリーズの生徒さんに受付の段階から付き添うことにする。

受付を済ませて控え室へ。
ほぼタイムスケジュールどおりの進行状況だったので、演奏順を確認して、何番が演奏する時になったら、ステージ袖に待機するのかを確認。
少し時間があるので、生徒さんの身だしなみをチェック・・大丈夫、これはしっかり整っていて問題ない。
演奏のイメージを軽くチェック。
特に、1曲目は拍子感が無くなってあせった演奏になってしまいがちなので、テンポ感を確認。
少々緊張の表情にも見えるが大丈夫だろうか・・・集中のスイッチみたいなものは入るタイプ(?)なので、おそらく、その点は大丈夫だろう。
そろそろ出番が近づいてくるので、自分は客席へ行って聴くことにする。

審査員からそれほど離れていない席に着席。
数人を聴いた感じでは、ピアノは大手メーカーのフルコンサートだが、中高音にやや伸びを欠いていたり、低音の分離感が気になるかもしれないが、全体のバランスはそれほど悪くはないか・・・もう少し会場に響いて欲しいように思うが、こんなものだろう。

さあ、いよいよ、出場シリーズ生徒さんの出番。
1曲目・・・
良し、落ち着いた出だしで、悪くない。
ペダルのタイミングが幾分甘く、濁りかけるところがあるが許容範囲だと思いたい。
少しのミスがあっても、流れは止まっていないのでいいだろう。
最後までバランスに気をつけろ・・・うん、何とか。
音が少し通っていないとは思うが、全体的には直前レッスンと同じくらいには弾けたので、この生徒さんの持っている実力くらいには上手くまとまったのではないだろうか。

2曲目・・・
ああ、やはりこうした曲となると、音にハリが無いように聴こえるのが、大きな課題だ。どうしも会場の隅までしっかり響かない。
ミスがあるというよりも、基本的なピアノ演奏力が高くなく、テクニックもかなり追いついていないので、テンポ設定としては混乱しないようにして、そのテンポくらいで弾いているのだが、特定の箇所が弾けていないように聴こえてしまっているのが、少し目立ったしまっただろうか。
何とか最後まで・・最後まで・・
良し。何とか大きく止まらずに、最後の音まで辿りつけた・・。

他の出場者の演奏も最後の人まで聴いてから、ホールを出て生徒さんと合流。
モリス : お疲れ様。きちんと最後まで弾けて、まずまず良かったよ(と言うしかないだろうなぁ)。

生徒さん: 緊張した・・でも、なんとか弾けました・・(少々疲れ気味の顔)

生徒さん父 : いや~緊張しました~。コンクールってこんな感じなのですね。皆さん上手ですし。
でも、うちの子もなんとか弾けて良かったです。

といった感じの会話。
結果発表と審査の講評がもらえるのは少し後なので、また後で合流することにした。
出場シリーズの、その14を。

振り返ってみると、全くと言っていいほど進まない譜読み、基本的に音を出すことができていないタッチ、テクニックレヴェルの低さで動かい指、耳が働いていないのでバランスがとれない演奏、ぐらぐらで拍子感は無し、幅の極めて狭いデュナーミク・・・

とてもコンクールへ出場というレヴェルではないが、でも出場すると決めたからには、自分もそれなりの覚悟で、できることはやってきたつもりだった。
他の生徒さんの場合は、
「この週までにはこれくらい出来ていれば、本番前にはこれくらいの仕上がりにはできそう」
などと、予想もつくし、対処方法もあるのだが、
この出場シリーズの生徒さんの場合は、計画性も持ってやってきたつもりだが、毎回のレッスンで、心の中で、
「ここをどうにか、もう少し何とか、あと少し何とかなれば・・・」
と思いながらやるのが精一杯で、この直前レッスンを迎えてしまった。

生徒さんも、何とか間に合わせようという姿勢は、この3週間くらいは感じられた。
テクニック的なところをよく練習したきた気配もあったし、何とか全部を暗譜しようとしているのも伝わってきた。
本当は、もっと練習が必要だったのだが、普段の練習量の習慣から考えると・・・結構やれたのだろう。

さあ、出場前ラストレッスン!
本番のステージを想定しての2曲の演奏・・・
おいおい、焦るな!テンポはしっかり!
ミスでも弾きなおしはしないハズだろう?
細かいミスタッチは仕方がないが、その後に崩れないで持ちこたえろ!

これらをもう一度再確認して、部分的にも少しチェック。
よし、もう一度通し演奏・・・
正直、良い仕上がりとは思えないが、それでもやれるだけはやれたのではないか。
「よし、大丈夫!この調子で明日の本番も今みたいな演奏をしよう!」
と、声をかけて、出場直前ラストレッスンは修了。

さて、コンクール本番は・・・いったいどうなるのだろうか・・。
出場シリーズ その13を。

コンクール本番までの残りの日数も少ないので、入れられるレッスン回数も限れているが、この生徒さんのように根本的に実力が備わっていなくて、曲の仕上がりもまだまだの場合には、注意点を自らの練習で改善していく力が低いので、やはり直前までレッスンを入れる方がいいだろう。

さあ、それではレッスン開始。
1曲目は、どうにも伴奏が大き過ぎるのが改善されないので、雑然と聴こえてしまう。
そして、メロディーの歌い方が妙にあせってしまうところも改善しないと、落ち着かない演奏に聴こえてしまうので、
「基本の拍子感で普通に行こう!」
と、手拍子でサポートしながら(こんな間近に迫った時期でも手拍子・・)、落ち着かせるようにしていく。
どうにか少しは落ち着いたきたが、これが独りで弾かせてみると、やはりまだ焦り気味かぁ。

2曲目は、全体的には通せるが、特定の箇所で崩れてしまっている。
曲の冒頭に書かれている参考テンポまであげるのは無理なので、現実の目標テンポは以前に設定したのだが、全体としてはそれに近いが、いくつかの箇所がテンポに到達する前に崩れ気味になってしまった(仕上がる前に崩れるとは・・)。

はい、ここはゆっくりとしたテンポでやってみよう。
こんな直前でも、危ない箇所はゆっくり弾いたり、ゆっくりスタッカートで弾いたりして、この箇所にくると崩れた演奏をするように染み付いてしまった筋肉の緊張感・硬直をとっていく。
よし、何とか崩れは治ってきたが、このままテンポを上げるのはやはり危ういので、この箇所は多少ゆっくり気味でもいいので、その次くらいからテンポを元に戻していくことに。

では、今回も2曲の通し演奏を。
おいおい、1曲目の暗譜を、しっかりと!
2曲目は意識をもっと持って、表現力を幅をつけよう!

う~ん、これくらいの演奏でも、コンクール出場者のレヴェルに近くなった・・・と思いたいが、実際はかなり遠いなぁ。。
よし、直前までやるしかない!

おそらくつづく。
出場シリーズの、その12を。

1曲目は何度も止まりかける暗譜の状態、2曲目はパッセージ系での不安定な弾き方と表現力不足が気になる状態だが、コンクールの本番は日々近づいてくる。

今回のレッスンでは、1曲はとにかく止まらないということもそうだが、特別速くはない曲なので、フレーズの歌い方をしっかりやって、余裕のある音楽にしたい。
メロディーの上昇で微妙にクレッシェンド、フレーズの終わりはさりげなく閉じるようにして、オーソドックスではあるが歌って弾けているようにしようと、自分も横から声を出して(歌って)サポート。
何度かやっていると、いい感じはなってきた・・・
と思ったら、頭から通してみると、ほとんど元に戻ってしまっているし、何でもないところで妙に急いだりするクセまで復活。
これでは良くなった時のイメージを持ったまま家で練習することは難しい。
やはり、基本的な拍子感とフレーズの歌い方というものが備わっていないことが、このような厳しい状態をつくってしまっている・・・。

2曲目は、勢いというか、曲の持っている雰囲気は出てきたのだが、f(フォルテ)のあとに、がらりと雰囲気を変えてp(ピアノ)にするところが、どうしてもうまくいかない。
この生徒さんは、ハリのある強い音を出すこともあまりできないが、実はきれいでグッと惹き込むような弱音を出すことできない。
つまり、デュナーミクが、mpからmfのような演奏になってしまっていて、表現の幅がどうしても小さい。
当然ながら、音色の変化を個々の音のバランスによってつくだす、ペダルによって変えるなどという次元にはいけていないのだが、せめて、強くも弱くも少しは幅を広げないと、このままでは全てがmfになってしまう。

こうした生徒さんにとって、軽めのタッチ感のpで、ある程度の速さで弾く箇所などは、やはりなかなかきれいには弾けないのだが、今の状況では、こうした箇所にこだわるよりも、他の箇所でジャーンと弾く和音を揃えてfをしっかり出すことにしたほうが、全体を考えた場合には良さそうだ。

さあ、今回も最後に2曲の通し演奏だ・・・
う~ん、やはり、テクニック的に危ういというよりも、明らかに崩れている箇所は崩れているし、適度な揺れというよりも拍子感の無いようになっているところも・・。
だが、広い心で聴けば(?)、全体としては良くなっているだろうし、この生徒さんは演奏中の集中力というものはあると思うので、それは自分も評価はしている。

ただ、残りの日数で入れられるレッスンの回数も限られているから、ここからどれだけ上げられるのか。
ある意味、自分にとっても未知の領域のようにも思えてきた・・・。
出場シリーズの、その11を。

某コンクールに出場すると生徒さんが(保護者さんが)決めて、申し込みをした時から、レッスン中に譜読みの手伝い、出来ない箇所の集中的な繰り返し練習などもかなりやり、今月になって、一応はそれなりの形らしい演奏にはなってきたので、何とかなりそうだ・・・

いや、これくらいの演奏で、形になった、何とかなりそうなどとは、本来は思っていないのだが、生徒さんの元々の実力を考えると、考え方によっては、よくここまでもってこられたと思えなくもない。

「さあ、では今日はそろそろ、暗譜で2曲を通して弾いてみようか」
と声をかける。
生徒さんも、
「暗譜は大丈夫」
と言うので、ステージをイメージして、2曲の通し演奏を開始。

ん?・・・どうして何度も止まりかける?
これでは、一応は覚えているようだが、暗譜で演奏しているというよりも、なんだか必死に思い出しながら弾いているような演奏になっている。
しかも、思い出しながら弾いているような状態なので、デュナーミクもフレーズの歌い方も響きのバランスも、ついさっきまでやって良くなりかけていたことが、全て元の状態に戻ってしまっていて、何とかなったと思ったのつかの間、全然何ともなっていなかった・・。

2曲目の方がそれなりには聴こえるが、やはり根本的にテクニック不足なので、速いパッセージ(と言っても本当は特に難しい箇所でもないが)が、どうしても苦しい。
ここだけやると、出来る時もある(確率5割くらい?)のだが、その少し前から弾くと確率が3割に、このように全体を通すと確率はほぼ1割以下に・・
でも、全体としては、まずまず曲の雰囲気を捉えたように聴こえなくもないが、これは、希望的観測のようなもので、冷静になって聴いてみると、まだまだ不十分だろう。

この日は、もう一度、部分練習のやり方なども指導したが、当日までの日々が少なくなってきている現状では、この生徒さんの場合は、全体の通し演奏をやりながらまとめていく方が、今回は良いだろう。
「暗譜を完全に、ミスしても止まらない、弾きなおしもしない」
現実的には、この3点に重点を置くしかないが、直前の週に、もう少し音楽らしく、なんとかしてみせるぞ!・・・と、自身に言い聞かせるモリスです。
普段のレッスンでの、ちょっとした話、その2を。

モリス : ・・・ちょっとした面白い話というか、恐ろしい話をしてあげようか?

生徒さん : え?いきなり、面白い恐ろしい話って(笑)・・何でしょう?

モリス : 例えば、メロディーと単純な伴奏のような、こんな曲(実演をして)でも、最初の頃は皆、右手のメロディーを大きめに弾いて、左手の伴奏を小さめに弾いてバランスをとることは、難しいよね。

生徒さん : そうですよね。初級の頃は、それがとても難しかったと思います。

モリス : それを、練習して、少しずつ意識できるようになって、少しずつ出来るようになって・・・それは、テクニックの問題?

生徒さん : テクニックというよりも、弾く強さ加減の意識というか・・・

モリス : そうだけど、その弾く加減の前に、体のどこがまず、音のバランスを感じる?

生徒さん :  ええと・・・耳?

モリス : 当然、そうだよね。イメージして弾いた音を、耳で聴いて、脳がもっとよりよいバランス判断して、実際に鍵盤を弾いて、それをさらに耳が聴いて・・と練習を繰り返して、よりよい響きをつくっているのだろうけど、まず、耳で聴けていないと、音もリズムも間違っていないけど、ただ単に音が鳴っているだけの演奏に、なってしまう。

生徒さん : あ~そうですよね。私、まだまだ耳で聴けていないです・・

モリス : うん、前よりは聴けているとは思うけど、もう一歩二歩くらい聴くことができると、特にこうしたメロディーと伴奏のようにわかりやすい構成ではない、フランス小品の場合には。

生徒さん : はい・・・・で、面白恐ろしい話は・・?

モリス : ああ、ええと・・・以前に、他の生徒さんに「面白い話」と話をしたら、「面白いというか、恐ろしいです」と言われて・・・自慢とかではないから、勘違いしないでほしいけど。
自分も子どもの頃からピアノをやってきて、いろいろな先生に出会ったわけだけど、「モリス君、そこはメロディーを出して、伴奏を抑えましょう」のように言われたことは・・・一度もない、かな。

生徒さん : えーっ!・・それは、全然面白くないです(笑)。恐ろしいです、本当に。

モリス : でもね、「伴奏を小さめに弾こう」とか、曲が少し複雑になってきても、「メロディーラインは幾分出して、それ以外は抑えめにしよう」などと、子どもの頃は特に考えてもいなかったと思う。楽譜の読みは、子ども頃にしっかりを教えてくれるような先生では無かったから。
でも、何故かそれでもそれなりに弾けていたのは、きっといろいろな音楽を聴いていたから、それが身についていたのか、小さな芽のようなものでずっと活きていて、いつでも最適に近いバランス、響きの重なりあい、ちょっとした間を、意識する前の段階で耳と脳が判断するのかもね。

生徒さんは、何度も頷いていたので、きっと少しは伝わったと思うが・・。
普通の(?)のレッスン日記ですが、書いてみると少し長いので、2回に分けて、今回は、その1。

小学生高学年で、フランス近代の小品を弾いている生徒さん。
とても良く弾けるタイプというほどではないが、学校の学芸会などでもピアノ担当になったこともあるので、同年代の普通のピアノを習っている人たちに比べると、その学校の学年では、まあ弾ける生徒さんということになるのだろう。

この生徒さんの最も良いところは、練習の継続性があること。
普段のレッスンの様子から、毎日の練習をほとんど欠かしていないと思うので、年間を通じて好不調の波が少なく、発表会などでもそれなりの曲を期間をかけて仕上げることができ、本番も普段の実力から大きくマイナスになるような演奏になってしまうこともない。

ただ、現在弾いているフランス近代の小品には、かなり苦戦している。
フランス近代の小品は初めてではないが、過去に弾いたのは1ページの本当に軽い曲のみで、3ページの今回の曲は内容的に、この生徒さんには少々難しいことは、当初から予想はしていた。
そして、その予想どおりにかなり苦戦気味なのだが、やはり響きのバランス、音の重なりあい、ほんのわずかな間というようなものを、感じることが十分にできていないのだろう。

言葉で指摘しても伝わりにくい面もあるので、何度か実演で示してはいるが、その時に、生徒さんも真似程度に響きを一瞬作れても、次の週にはまた響きが崩れていたり、音がうまく溶け合っていない演奏になっている・・。

楽譜に、「この音は出して、この音はこの音よりは弱く、この音は中くらいで、この音はこの音よりは小さいがこの音よりは出して・・・」
などと、全部書きこんで、一応整ったような演奏にすることはできないことはないが・・・

同じ箇所を実演して、何が、どこに違いにあるのか、その原因は何なのか、それを生徒さんが理解しているか、質問してみると、生徒さんは、

生徒さん : ええと、先生の演奏は、指が軽やかに動いていて・・・

モリス : 指の動きに違い、つまりテクニックの違いってこと?

生徒さん : ええ、はい。テクニック的なことかなぁっと

モリス : それもあるかもしれないが、根本は、そうではないよね。

生徒さん : では、何が違うんでしょう・・・

モリス : ・・・ちょっとした面白いというか、恐ろしい話をしてあげようか?

生徒さん : え?いきなり、面白い恐ろしい話って(笑)・・何でしょう?

その2に続く。
普段のレッスンの仕事は、年齢もレヴェルも様々であるから、当然ながら出場生徒さんのコンクールレッスンだけに、頭の中をいっぱいにしてしまってはいけない。
常に、生徒さんの進行状況を把握しながらレッスンの曲を決めたりするが、他にも新しい曲目を探して譜読みをしたり、発表会に向けた曲を探したり想定したりといった作業も、日々少しずつ進めていく必要がある。

例えば、初級でぐんぐん教本が進んでいる生徒さんの場合は、半年前に発表会曲を想定しても、それ以上の伸びだったりするので、現状の把握と次の教本や曲集の選択などが次へ向けての大事な作業。
逆に、進度が確実ではあるがゆったりタイプの生徒さんの場合は、無理をしない程度のレヴェルの発表会曲を少し早めに決めて、着実にやっていくのも1つの方法。

少し大きな曲を弾ける生徒さんは、ショパン、シューマン、ベートーヴェン、ドビュッシーと、選択肢も多いので、2曲くらいの発表会曲を決めて同時進行、または1曲を譜読みができた段階でさらに1曲を譜読みを開始するような並行進行のようにもできる。
だが、もう少し先を考えると、今年の発表会というだけではなく、来年の初めくらいには、もう一段階くらい大きな曲に挑戦させてみたいと考えてみると、目先の曲を仕上げることも大事だが、少し計画性を持ったレッスンの内容にしたい。

例えば、ある中学生の生徒さんは、今年は無理かもしれないが、来年あたりにはショパンのスケルツォ2番などを、弾かせてみたいようにも思う。
そのための準備としては、レッスン曲目もそれに向けて、いくつかの準備をしたい。
1つ目は、少し大きな曲に慣れさせること。
この生徒さんは、中程度の規模の曲はいくつか弾いてきたと思うが、それでも最大で8ページ、6分半ほどの曲だったように記憶している。
7,8ページの曲は最近では当然のようになってきているが、それでも10ページを越えた曲を弾いたことはないので、それが1つ目の目標だが、ただこれは、おそらく今年の発表会の曲目で達成できるのではないかと思っている。

2つ目は、ショパンの小品のジャンルを増やすこと。
ワルツ、ノクターンあたりはそれなりの数は弾いているが、プレリュードは2曲、マズルカは1曲しかやっていないし、ポロネーズとエチュードはまだ弾いていないので、これらの手薄な分野の曲をレッスンに取り入れたい。

3つ目は、テクニックの底上げ。
スケールは最近良くなりつつあるが、2オクターブ以上のアルペジオに弾き方に、抜けきれないクセがややあるので、これを今後は強化したい。
これについては、全調のアルペジオをやるだけではなく、いくつかの強化策を考えてはいるが、まだ実際に始めるには至っていない。

などのことを考えながら、レッスンの内容を目先の中程度の曲をがんばることだけにならないようにしたいが、現実はなかなか思うようにはいかないもの。
自分の予想としては、10ページを越える曲をやることは、おそらく最初は大変だと感じるだろう。
そしてショパンでは、マズルカというのは、この生徒さんの場合は苦戦しそうな気がするが、エチュードなどであまり難しくない曲は、まずまずいけるようにも予想している。
さて、これらが上手く進んだとして、どれくらいの成長をみせてくれるだろうか。
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