今回、この生徒さんの使う教本は、「説明は少なめ」・「1曲が短め」・「曲数も少なめ」・「変化球的だったり、風変わりな曲も少なめ」といった本を使うことにした。
これまでに、調とスケールと手のポジション、和音の構成などについて親切に解説されている教本を使っていたのだが、その説明が多いせいか、生徒さんには
「ゴチャゴチャとにかくたくさん説明が書いてある」
というように見えていたようで、わかるための親切な解説の文字の多さ、イラストの多さが、かえって逆効果のような印象があったからだ。
そこで、そうした説明が最小限で、とにかく「ト音とヘ音の大譜表をしっかり読んで弾く」ことに集中できるようなシンプルな教本を選び、必要な知識は、その都度色ペンで書き込みをいれて解説をする。
しかも、同じようなことを何度も言って、とにかく基本を叩き込むようにする。
さあ、レッスン開始。
1曲目は、左右の手は両方使うが、同時に弾くことは無く、ほとんど片手だけで弾く曲。
生徒さんは、ほぼ弾けているが、この簡単な曲で、大譜表は、真ん中のドから上がっていく、下がっていくということで読むことを、徹底させる。
また、音符の名前と音価と確認。全音符を、2つに分けたものが二分音符、4つに分けたものが四分音符・・・やはり知らなかったようだ。
2曲目も、左右の手は使うが、片手ずつの曲。
音楽というのは、どこで盛り上がるものなのか、フレーズの弾き方も、こんな小さい曲でも確認。これは今後も、全曲でやっていくが、このように既に知っている曲が入っているので、その抑揚と楽譜で読むフレーズ感を一致させていくことも重要。
音価について再確認。
特に最後の音は、例えば3拍なら「1,2,3」と数えて、「3」で終わったら短い!「4」に入る瞬間に弾き終えるのが正しい音価の3拍。
拍子を確認。これはほぼ大丈夫だった。
3曲目は、ついに両手になるが、単純明快な曲。
ここで、もう一度、大譜表と音域を確認。
1回目は、とても簡単だったこともあり、生徒さんは弾けている。
だが、弾けているだけでは十分ではなく、現時点で、生徒さんは「何をわかっていて、何をわかっていないのか」を、はっきりさせることが必要。
だから、しつこいくらいに当たり前のことを繰り返しやって、とても簡単なことや基本的なことも生徒さんに質問して、1個1個を確認しながら進めてみた。
そうして、「わからない」や「あいまいに覚えてる」を取り除く作業を大事にしながら、確信を持って次のページへ進めることを、大事にやりたい。
次週のレッスンの、4曲目からが、少し勝負どころだろう・・・つづく。
基礎に戻る生徒さん、今のうちにしっかり基礎をやり直しておられるようですね。
基礎的なことをやり直しにくくなってしまう前に、こういう機会を作ってもらえて、生徒さんもしっかり自分で理解して歩き出せそうですね。
初歩のシンプルな教本をやってもらっているのですが、生徒さんも、これまでに「何だかもやもやとして霧の中にいる」状態だったことが、少しずつわかってきて、しかも弾けるので、これまでのところは順調です。
今後もお楽しみ(?)に。