その指導者さんは、「ロシアにいた時は、もっとひどい状態だった」と言ったが、それを聞くと本当にそうだった。
グランドピアノには、レッスンの時以外はほとんど触れることはできず、練習用のアップライトはたくさんあるが、もうどれもカスカスした状態?で、音に関しては全く望めないピアノ達だったらしい。
「お金持ちの留学生(何人なのかは・・・そういうことです)は、ちゃんと高級なピアノを持ち込んでいたけれどね、私はお金無かったから」
と、また笑って言っていた。
「でもね、学内でも学外演奏でもコンクールでも凄い演奏しちゃうのは、普段はカスカスのアップライトで練習しているロシア人だったりするの、本当に。彼らは小さな頃からそれなのでしょうけれど、まあ凄いのね」
そして、
「日本は幸いに大きな楽器メーカーが存在していて大量に良質のピアノがあって恵まれている。
それは良いことだけれど、『ピアノやるなら、これくらい持っていないと』とか『音高や音大目指すなら、このクラスのピアノですよ』みたいな宣伝や概念を、皆が正面から受けすぎちゃって、それがうまくなるために絶対に必要だと思い込みすぎかな」
とも言っていた。
これは確かにそうかもしれない。高級志向の概念とか、ブランド力のある宣伝とかに、どうしても流される傾向はありそうだ。
しかも、ラフマニノフのプレリュードを抜群の迫力と流れで弾く、この指導者さんの話だから、説得力がある。
「ホールは最高級さんクラスのピアノだから、安心して弾ける。でも、その最高級ピアノも、ホールによっては、経験浅い調律師が変に手を加えて、ダメになっていたりするでしょう。でもね、『最高級さんだから』と思っているから、気がつかない場合もあるのね」
と、またまた笑っていた。
本当に日本のピアノ事情は恵まれているのですね。
そして日本人のブランド志向気質も否定できないなあ・・と思いました。
ピアノをどうこう言う前にまず自分の技量ですね!
時々忘れそうになりますが、私も常に謙虚に、精進を怠らないようにします。
その指導者さんのラフマニノフのプレリュード・・すごく聴きたいです!
きっとステキな演奏なんでしょうね♪
日本のピアノ事情は恵まれていると自分も思っていましたが、この指導者さんと話をしながら、再度そう思いましたね。
もちろん、日本で質の高いピアノがたくさんあうのは、喜ばしい状況だとは思うのですが。
>ピアノをどうこう言う前にまず自分の技量ですね!
本当にそうだと思います。良いピアノが身近にあれば上達していくなんてことは、ないですからね。
この指導者さんの弾くラフマニノフは、左手が非常に流れが良いのが特徴にように感じましたね。