このホールには、確か3種のブランドの4台のフルコンがあり、曲目や楽曲の編成、演奏者の好みなどによって選択できるようになっているが、今回は演奏会主催者の指定(だと思う)らしく、国内最大手メーカーのフルコンサートピアノと決められているらしい。
自分にとっては、このメーカーのフルコンは結構久しぶりだったと思う。
共演の方と合わせる前に、少し試弾しながらピアノと対話。
鍵盤の質感は少し渇き気味であり、良く言うと滑りにくい感じはするが、少々馴染みにくいようにも。感覚としては軽めで弾きやすい。
肝心の音の質は、発音ははっきりしているものの、全体的に少し伸びが無いような感じするのだが・・・そうは言っても流石に素晴らしいピアノ。
ステージ上だと自分の耳では音量やバランスはわかりにくいので、客席で確認する人の耳の方が確だろうから聞いてみると、
「もっと鳴らして弾いても大丈夫そうです」
とのことなので、遠慮なく鳴らすようにしよう。
このホールはかなり残響が多い。
このホールの演奏会は、ピアノのソロだと、ピアノは最高級さんが使われる場合も多いが、他に歌や楽器などとのデュオ形式だと、そうとは限らない。
歌や楽器よりも主張しすぎないように、最高級さんの輝くような音の響きとは異なるこちらの国内最大手さんの方が、もしかしたら向いているという主催者の判断だろうか。
「…もしかしたら向いているという主催者の判断だろうか。」どうなんでしょうね。
私が昨年聴いた演奏会の中で、たぶん『最高級さんの輝くような音の響き』と共に管楽器とのデュオ、とても良かったです。ピアノの調整の仕方や音の出し方で、いろいろな響きを出せるのですから、せっかく楽器が何種類かあるのに試すことなく決められた楽器で演奏するのは(聴く側にとっても)もったいない気が私はします。
おっしゃるように、ピアノは調整の仕方で全く異なりますから、他の楽器との組み合わせでも、いろいろと試すと面白いと思います。
ただ、実際の演奏会、特に単独主催ではないような事情の演奏会などでは、いろいろと都合もあるものなのでしょう。